日常カテゴリは鬱々とした暗いものが多いのでご注意をば…
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 指を硝子越しに合わせてあなたは言った。 「割れないね」 薄い膜みたいな硝子越しにあなたは笑った。 「割ろうとしないからよ」 あなたは綺麗な笑顔をつくって首を傾げた。 「それなら…」 傾いた顔の整った唇が動く。 「どうして君は割らないんだい?」 ほんの少し力を籠めれば、硝子はいとも容易く皹入って、あなたの顔を更に歪ませるだろう。 「割れたら、あなたが困るからだわ」 だから、わたしは待っている。 「…君はマゾだよね。僕はそんな君が大好きだ」 突き放すように、言った。 「頭の良い君は、嫌いだ」 ゆっくりと、あなたに合わせて首を傾ける。 「…わたしとあなたは、ある意味同類なのよ」 舌を出してみせれば、呼応するようにあなたの紅い舌が硝子をなぞる。 「どっちが先に、壊れるかな…」 伝う唾液、声に揺れる硝子。 PR |
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